股関節や膝が痛くて整形外科を受診すると
- 軟骨がすり減っているから痛みが出ている
- 変形しているから痛いんだ
という説明を受けた事はありませんか?
あ、あります。
実は多くの膝や腰、股関節の痛みは、軟骨がすり減っている事や関節が変形している事が原因にはならないのです。
私は総合病院で整形外科、脳神経外科、内科、外科、回復期病棟、クリニックで経験を積んだ経験年数10年以上の理学療法士です。整形外科疾患を専門にしております。
この記事では、関節の痛みの正体を解説します。
この記事を読んでいただければ、関節の痛みについて正しい知識を持つことができ、痛みを解決の方向へ導けるかも知れません。
軟骨も変形も関節の痛みとは関係ありません。痛みと関係しているのは脂肪体や筋肉等、軟骨以外の組織です。
痛みを解決するにはあなたの歩き方を改善する必要があります。歩き方の改善にはあなたに合った適切なインソールが有効です。
目次
「軟骨がすり減っているから」、「変形しているから」は関節の痛みの理由にはならない
関節に痛みを抱えて整形外科を受診すると医師から「軟骨がすり減っているから」、「変形しているから」と説明される事があります。
実は変形も軟骨も痛みの原因にはなりません。
例えば「膝関節が痛い」という場合、痛い原因は軟骨でも変形でもない、解剖学的な理由があります。
軟骨と変形に対する誤解と痛みの正体
実は人は軟骨を刺激されても痛みを感じません。これは解剖学的な事実です。
関節に存在する組織のうち、痛みを感じる組織は解剖学的に決まっています。膝関節であれば最も痛みを感じるのは膝蓋下脂肪体です。
私の私見ですが、臨床経験上、脂肪体や筋肉といった組織が痛みの問題となっている事が非常に多いと感じます。
他にも痛みの原因になる組織があります。
膝関節では半月板、前十字靭帯、内側側副靭帯、関節包等、これだけではありませんが、痛みを出す組織はたくさんあります。
痛みを感じる組織が何らかの原因で刺激されると関節に痛みを感じます。
実は関節が変形している事が痛みを感じる組織に刺激を加えているとは限りません。
例えば、関節の変形の度合いと痛みが相関しないことを多くの臨床家が経験しています。
私の臨床経験上でもすごく膝が変形しているのに気になる程の痛みが無いというケースを診る事もあれば、見た目ではそんなに変形していないのにとても強く膝の痛みを訴えるケースを診る事があります。
逆に変形する事で関節を保護しているケースもあります。
関節の変形のうち、骨棘といった変形があります。臼蓋形成不全を伴った変形性股関節症ではこの骨棘が関節の安定性に寄与する場合があります。
臼蓋形成不全では股関節が浅くなってしまい、股関節の安定性が低下してしまうのですが、骨棘によって関節の面積が増えて股関節の安定性が向上する可能性があります。
関節の変形は悪者扱いされがちですが、必ずしも悪者とは限らないのです。
なぜ、関節が痛くなるのか?
なぜ、関節の組織が痛みを出してしまうのか?
それは、皆さん自身の歩き方のクセによって関節の組織に負担をかけてしまい、痛みが出てしまうのです。
歩き方のクセと痛みの関係に関して、詳しくはこちらの記事「【現役理学療法士が解説】インソールが痛みに効くって本当!?長く続く辛い痛みにはインソールが最適!!」をご参照下さい。
痛みを解決するにはインソールが効果的
この歩き方のクセを改善するにはインソールがとても効果的です。最大のメリットはインソールを入れて履いているだけで、無意識にクセを改善ことができる事です。
インソールを使用すれば誰でも簡単に歩き方のクセを改善することができます。
歩き方のクセを改善する事もとても難しいです。これは私が臨床で痛感した事ですし、他の多くの臨床家も同じことを痛感していると思います。
皆さんがちょっとやそっとクセを直そうと意識して歩いたところでそう簡単にクセは改善しません。
そこで、歩きのクセを自然と直すのにあなたに合った適切なインソールが大活躍します。
インソールが歩いている時の体重移動や姿勢を自然とコントロールしてくれるので、インソールを入れて歩くだけで痛みが改善し、快適に歩けるようになります。
インソールと痛みの治療院では、個人の歩き方に合わせて0.5mm単位でインソールを調整・作製しており、その場で痛みも歩きも楽になるインソールを提供しております。
作製しているインソール、ご依頼の流れや作製コースに関しては「サービス案内」をご参照ください。
まとめ
関節の痛みの原因は軟骨や変形ではなく、脂肪体や筋肉等の組織が痛みの原因です。
痛みを解決するには歩き方の改善、そしてあなたに合った適切なインソールが効果的です。